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日本経済新聞 
2022/2/13 朝刊一面

①「チャートは語る 住宅高騰、利上げで転機 世界の家計債務55兆ドル コロナで1割増」

世界の家計債務が新型コロナの影響でなんと12%も増え、残高は55兆ドルを超えたとの報道です。家計債務というのは、住宅ローンを中心に、自動車ローンやクレジットカードの利用残高などを含み、先進国ほど住宅ローンの比率が高い傾向にあります。
ちなみに世界全体の債務は「政府・企業・家計」が合わせて228兆ドルほど。家計債務の占める割合は4分の1程度で、残りは政府と企業が半々くらいとなります。

これまでは世界的に金利の優遇が取られてきたこともあり、金利の影響を受けやすい住宅価格は需要が増し、住宅の価格は上昇を続けてきました。しかし、今後訪れるであろう金利の引き上げによって債務の返済負担は増えるため、今後は世界的に住宅価格の相場は下がることが予見されます。

金利と住宅価格の関係といえば、サブプライムローン問題(リーマンショックのきっかけとなった事件。低金利で過度にローンが組まれていた状況の中、利上げが行われ住宅価格のバブルが崩れたため、ローンが破綻した)が想起されるところですが、今回はそれにはあたらない算段が強いです。当時の教訓を経て金融機関への規制が強化されたことや、コロナからの回復によってもたらされる消費の拡大によって景気が回復することを期待されるためです。

特に日本の場合、世界とは状況がかなり違うようです。アメリカのダラス連邦銀行によれば、世界25ヵ国で住宅価格が急上昇、21年7~9月期は前年対比で13%高まで上昇しました。ところが日本の場合はたしかに債務の残高は増えている一方、住宅の価格についてはコロナ禍を経て1%程度しか上昇していません。

もちろん首都圏では住宅価格が高騰していますが、それでも世界の主要都市に比べると安い日本の不動産は、海外ファンドや投資家からの標的となっています。今後の日本に対してどのように資金が流入し、どのように資源が流出していくのか。。引き続き注視する必要がありそうです。


②「仏ロ首脳、対話継続合意 ウクライナ問題 米ロ首脳も協議 米ロとも大使館員退去」

アメリカのバイデン大当郎、フランスのマクロン大統領は、あいついでロシアのプーチン大統領と電話で会談し、一応は和平の合意について対話を継続する、ということを確認しあいました。

とはいえ、アメリカ側は経済制裁の実効への準備を進めています。ウクライナへの侵攻がどのような形で現実になるかは分かりませんが、なにかのトラブルが原因で、段階的にでも実際に制裁が実行されるようなことがあれば、、両陣営のあいだに溝は深く刻まれ、解決への長い道のりを歩み始める事になるでしょう。。


③「藤井五冠、最年少で 19歳6カ月、4連勝で王将奪取」

すばらしいです!しかしまだ10代なのですね。彼はこれからどんな人生を歩んでいくのでしょうね。


④「処方薬コンビニ受け取り セブン、アインと組み オンライン診療にらむ」

コンビニ最大手のセブン&アイ・ホールディングスと、調剤最大手のアインホールディングスが共同で、薬局が処方する薬をコンビニ店舗で24時間受け取れるサービスを始めると発表されました。オンライン診療を受けて自宅近くのコンビニで薬を受け取るといった利用を想定します。

「薬の販売や陳列、配置」を薬局に限っている医薬品医療機器法では、ロッカーでの受け取りなどは明確に禁じる項目はありません。本人確認など、受け取りに際してのトラブル防止のための措置をどう担保するが大事かなと思います。


【社説】
ネット利用履歴の活用ルール整備を
参考にしたいEUの原発議論

日本経済新聞
2022/2/12 朝刊一面

①「金利上昇、世界に広がる 債務膨張で負担重く 米2%台、新興国打撃も」

アメリカをはじめとする金利の上昇が世界各国へと波及しているようです。

アメリカの長期金利(10年物国債利回り)が2年半ぶりに2%に乗せました。長期金利の利回りが上昇する、、ということは端的に言えば、既発の国債が売られて相場が下がり、それに伴い、金利に対する利回りが相対的に上昇するということ。新発国債の価値に比べて、既発国債の価値が低く見積もられるという風に考えると、理解できるかもしれません。
※金利の仕組みはあまりに複雑なので、一度に理解しようとしない方がいいかと思います。

新型コロナの影響で、世界各国は国債発行による財政拡大、金融緩和を行ってきたが、インフレに直面し、金融緩和から縮小にむけて大きく舵を切りつつあります。インフレの原因は原材料価格の上昇、労働力の不足、供給制約などです。消費者物価が昨年同月比7.5%のインフレを記録したアメリカ、これ以上は看過できないということで、今年中に数回、政策金利を引き上げることで、市場金利を引き上げインフレを抑制しようと試みます。

当然、低金利を前提に需要を推し進めてきた住宅業界などにはダメ―ジがあります。今後の利上げによって、アメリカの金利が1%上昇すれば、住宅価格は5%減少するのでは、と専門家は想定しています。

また新興国ほど、経済基盤が弱く重債務となるので、金利上昇の影響を食らいやすいと言えます。また、大国の金利が上昇すると、そちらの通貨が買われて新興国は為替安になるため、輸入物価が上昇し、さらに外貨建て債務の利払いも負担が増します。かといって利上げをすれば景気が悪化するという悪循環のジレンマをもろに受け止めてしまうのです。


②「ビジネス入国、月内に先行緩和 留学生含め1日1000人超」

原則停止していた外国人の新規入国を、3月以降、段階的に緩和することを発表しました。
日本のコロナ鎖国について以前ブログでも書いた気がしますが、ついに日本も、アクションを起こさずにはいられなかったという所でしょうか。
岸田総理は選挙への影響をかんがえてコロナの水際対策をしっかりしてきたけれど、国際的な流れには逆らえなくなったという所でしょう。
国際留学生や、ビジネス目的の入国は、3月以降、1000人程度から再開するようです。

③「北米、供給網が寸断 トヨタやGM、工場停止 カナダで運転手デモ拡大」

アメリカとカナダを往復するトラック運転手らのあいだで、ワクチンの強制接種にたいする反発から、デモが広がり、両国の国境の数か所が遮断される事件がおきており、それによって生産ラインへの影響が広がることが懸念され、空輸での流れを確保できるように動いているそうです。影響が大きくなるまえにしっかり防いでほしいですね。


④「平野歩が「金」 男子ハーフパイプ」

判定の件もいま物議をかもしていますが、、
演技に対する選手の思いと、競技ごとのルールの特殊性と、様々な問題がクリアになると良いなと望むばかりです。


【社説】
医療改革の推進力を欠く診療報酬改定
新生銀の成長実現へ融和急げ

日本経済新聞
2022/2/11 朝刊一面

①「"グリーンバブル" 削減量取引、質より安さ 
 脱炭素効果見えぬ「見切り品」特需 4割が認証から5年超」

CO2排出の削減効果を、売買することができる様にしたものをカーボンクレジットと呼びます。

日常生活や経済活動を維持するためには、CO2など温室効果ガスの削減には限界があります。そこで、CO2削減活動、再生可能エネルギー開発をする事業者がカーボンクレジットというものを発行し、CO2を排出している企業は、そのクレジットの購入を通して、発行者に投資することで削減効果を謳うことができる仕組みが出来ました。簡単に言えば「削減効果をお金で埋め合わせる」という発想がカーボンクレジットの購入と言えるでしょう。

主な発行事業者は、再生可能エネルギー開発や、森林育成事業などを行う事業者。 購入企業は、航空会社や製造業という排出企業や、削減に寄与したい、金融業やウォルトディズニーなどの企業です。

しかし多くの企業が、単価の下がったクレジット「見切り品」を購入することでコスパを求める傾向にあることが分かり、良質なクレジットにお金が流れる仕組みを改めて見直す必要が問われているといいます。

クレジットが売れ残ることで収入不足になると、こうした事業を行う事はむずかしくなります。そのためカーボンクレジットの価格は、削減効果が認証された時点から、1年目は6ドル、3年目は5ドル、5年後には3ドル、、と言ったように、だんだんと単価が下がるように設定されています。簡単に言えば、売れ残りセールです。

世界中で取引されたクレジットの4割は、削減効果から5年を超えたクレジットが占めており、これでは良質なクレジットの発行者に適切に資金が流れず、肝心な、温室効果ガスの削減に対する好循環というがシステムが揺らぎます。

もちろんクレジットが古いからと言って、削減効果の質が決まるわけではありません。とはいえ、その投資がきちんと継続して事業者を潤し、プロジェクトが進展しているかどうかも大切なことです。削減効果の認証を行う第三者機関に加えて、事業の検証をする格付け会社(企業が良質なクレジットを購入できるよう仲介する存在)の役割が重要性を増します


②「ファイザー製飲み薬、国内承認 コロナ軽症・中等症向け、まず4万人分」

今回も特例適用ですね。ファイザー製の飲み薬は削減効果が88%と、すでに承認済みのメルク製の30%に比べて、効果が高いとされているそうです。

イベルメクチンはずっと効果があると言われてきて、オミクロン株への効果も認められたと発表がありましたが、これは、、どうなんでしょうか。
https://jp.reuters.com/article/kowa-ivermectin-idJPKBN2K50B7
北里大学といえば、歴史のある大学医学部ですけれど、、、真実はなかなか分かりませんね。


③「日銀、金利抑制策14日発動 利回り0.25%で国債購入」

日本の長期国債利回りが上昇していることを受け、0.25%を超えないように日銀がすべて買い入れると発表しました。長期金利上昇の原因としては、アメリカの緩和政策終了へ伴い、日銀も、いずれは目下の緩和政策を正常化に向けて舵をきるのではという思惑が市場に表れたのでしょう。

日本は現在、マイナス金利や、量的緩和政策中であり、市場金利が上がってしまうと、せっかくの今の金融緩和政策の効果が薄れてしまうという判断のようです。日銀が無制限に国債を買い入れるというわけですから、どれくらいかは分かりませんが、円の流出すればするほど、円安要因になるとは思われます。


④「まん延防止、13都県延長 高知追加も決定」

個人的には、まん防でも緊急事態でもいまだにピンと来ていません。
事実とデータに基づいた効果を主張して、こうした措置が、感情論や惰性でおこなわれているものではないと、我々の疑念を晴らしてほしいと考えています。


【社説】
対策の効果検証し説得力ある重点措置に
ガソリン補助金は限界がある

日本経済新聞
2022/2/10 朝刊 一面

①「国際商品、1年で5割高 2000年代で最大
供給制約が拍車、世界不安定化の要因に」

いまや、近代生活の生活必需品は、国際的な供給網「サプライチェーン」ぬきには成り立ちえません。そんな相互依存の国際社会において、輸入依存度の高い商品の相場が上昇しすぎると国内の経済に大きな影響を及ぼします。

原油、石炭、天然ガス、穀物、綿花、鉄やアルミなどの金属。こういったコモディティ品目の年間騰落率を示す「リフィニティブモディティーCRB指数」は、今年1月末時点で、昨年同時期に対比して、なんと46%も上昇しました。

物流など供給網の乱れ、労働力不足が問題がこうした相場の上昇を後押ししているのは間違いありません。エネルギー資源を中心としたコスト増により、世界の経済成長は大きく妨げられています。

商品高は企業の利益を圧迫し、コロナ下で落ち込んだ景気の回復を遅らせる大きな原因ともなります。アメリカ、イギリスを中心に、金融緩和の影響でインフレを招いています。こうした、コスト原因のインフレの場合、金融引き締めによって抑制するのは難しいと、専門家は言います。

自国で資源を囲い込む、「資源ナショナリズム」が国際価格への上昇圧力になってしまうと、ますます政情不安の種にもなりうるということも。


②「2030 GameChange (8)スタートアップ 難題にこそ好機、民から興す革新」

企業価値10億ドルを超える企業のことを「ユニコーン企業」と呼びます。インドは2021年に、ユニコーン産出国として世界第3位となりました。インドのベンガルール(インドのテック系企業が集積する都市)のユニコーン企業は、マウンテンビュー(アルファベット社が本社を置くシリコンバレーの都市)のそれを、今や上回っていると言います。

貧困、インフラの脆弱性、そういった社会の問題のあるところにこそ、革新が産まれるチャンスがあり、世界中の起業家が可能性を求めてチャレンジする土壌となるのです。

日本には、少子高齢化、生産性の低さ、食料自給率の低さなど、社会的課題は山積みになっています。そうした中で、既得権益がたちはだかることが、日本でユニコーン企業が育たない理由だと筆者は指摘しています。

どのようにしたら日本でもユニコーン企業が育つのか。
・世界をターゲットにした商品、サービスの開発
・既得権益の毀損を恐れない。アンタッチャブルへと踏み込む勇気
・失敗を恐れないチャレンジ精神と研究意欲

こうした高い理想を掲げる企業の芽をつぶさずしっかり育む土壌や、その利益、公益を伝えるIRの機能、経済と社会の諸問題に対する関心喚起

そういったことが重要なのでは、と考えます。ありきたりで恐縮ですが。。


③「トヨタ、純利益58%増 4~12月 日米欧中でシェア上昇」

トヨタ自動車の発表によると、2021年4月12月の3四半期連結決算において
売上高:23兆2670億円(19%増)
純利益:2兆3162億円(58%増)
世界販売台数(日野、ダイハツ含む):778万台(8%増)
となりました。

原材料高、部品不足などの影響は、10~12月期にかけてより現れたため、通期の見通しは若干低く修正されたそうです。


④「まん延防止、来月6日まで 13都県延長 政府きょう諮問、高知を追加」

飲食店を閉めることによる人流抑制による効果がはっきり証明された情報を目にしたことがないのですが、これはどれくらい必要なのでしょうか。。
「飲食店」「酒類提供」ではなく、「滞在時間」「滞在人数」などの方法は考えられないんでしょうか、、?


【社説】
水際措置を緩和し「鎖国」に終止符を
"鉄鋼の高関税は撤廃が筋だ
"

日本経済新聞
2022/2/9 朝刊

①「欧州LNG輸入、1月4倍 ガス確保前進でロシアに対抗」

ヨーロッパでは近年、ロシアからの天然ガスの輸入量を抑え、かわりにアメリカからのLNG(液化天然ガス)の輸入量を伸ばしています。バイデン大統領は、ロシアからの天然ガスの供給が止まったとしても、ヨーロッパが天然ガス不足に陥らないように供給を支える用意があることをアピールしています。ウクライナ危機の緊張が高まるなか、これによって、欧米は、対ロシアへの経済制裁をさらに強める可能性を示唆しています。

日本でも、買い付けたLNGをヨーロッパへの供給へまわすことが検討されており、今回の供給支援にはもちろん日本からの融通も含まれています。日本は世界最大のLNG輸入国です。日本が先進国としてサプライチェーンの中で存在感を示すために、資源輸入国としてだけではく、LNGを気化する技術や、再生可能エネルギーの技術輸出国としての立場を強めることが出来ると良いなと望んでいます。


②「2030 GameChange (7)国際連携 世界分かつ米中、国・企業の実力問う ネットも分断/宇宙資源を争奪」

量子コンピューターの実用化によって、現状の暗号技術が骨抜きにされる可能性があるようです。インターネット上のメールや、クレジットカードの情報を読み取られるような事態を防ぐために、アメリカは、最速で2024年に次世代型の暗号技術の国際標準を備えることを目指します。
しかしながら、それが面白くないのは中国です。独自の技術開発の精査を進めているそうです。へたすると、アメリカと中国では全くちがう技術を利用するような未来も現実味があると筆者は言います。

※暗号技術の大きな方向転換についてはこちらの記事もご参考に
https://toyokeizai.net/articles/-/510067

アメリカ、中国によるルールメイカーとしての2大国の対立は、世界に大きな溝を産みます。
宇宙開発についても同様。2020年にアメリカを主導して「アルテミス合意」が提唱されましたが、中国とロシアは独自に協力体制を築き、ドイツ、フランス、インドなどは、どちらにも参加せずに様子見の構えです。

国が立場を明らかにしていく中で、グローバル企業は複雑な対応をせざるを得ません。世界標準、宇宙開発、環境問題など、世界が抱える問題において「単一の世界」だけを想定していては、もはやビジネスが行えなくなります。

日本はどう生き延びることができるでしょうか。常に存在意義を問われ続けています。


③「『米は同盟国を尊重』エマニュエル駐日大使 アジア重視強調」

バイデン大統領は、トランプ政権の時に導入された、日本から輸入されrう鉄鋼にたいしての関税を緩和させることを発表しました。前政権からの「一国主義」からの脱却をアピールする格好です。エマニュエル駐日アメリカ大使は「米国は同盟国を尊重し協調する」というメッセージを発します。

TPPへの復帰も焦点となっている通商関係ですが、アメリカは、日本を含むインド太平洋地域での協調姿勢を強め、中国へのけん制をしたい狙いがありますが、貿易協定に関しては、輸入超過を恐れてまだ慎重な姿勢を見せています。


④「まん延防止延長へ 13都県で、政府あす諮問」

「岸田文雄首相は8日、首相官邸で公明党の山口那津男代表と会った。山口氏は会談後、記者団に「延長もありうることを視野に検討していこうという方向だ」と述べた。」
とありますが、、
「ありうることを視野に検討していこうという方向だ」ってすごい言葉ですね。


【社説】
ウクライナ侵攻阻止へ外交努力を尽くせ
台湾の輸入再開を歓迎する

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