日本経済新聞
2022/4/8 朝刊一面


①「ロシア、デジタル鎖国で世論操作 政府側、1000万超SNS拡散 偽情報で世界と分断」

日本経済新聞社が調べたところによると、ロシア拠点、ヨーロッパで普及するSNS「テレグラム」内で、100を超えるアカウントが、フェイクニュースを拡散していると見られるといい、特に侵攻が膠着したことなどから3月半ばから、発信を活発化させていると分析しています。

特に、4月に入り、ロシア軍による民間人の虐殺が報じられてからは、遺体の映った映像をめぐって、ロシアとウクライナが双方をフェイクだと非難しあう状況になっています。

フェイクニュースの対策技術が進歩した影響で、捏造や加工が看破されやすくなり抑止力になっているらしく、西側メディアでは偽情報の検証が活発に行われることで一定の歯止めがかかっていると言います。

こういったお互いのプロパガンダ告発は、見ていても釈然としないというか。自分がこういうCG技術に詳しいわけではないですから、もしかすると西側もこうした活動を行っているのかもしれないと考え出すと、何を信じていいか分からなくなりますね。


②「国連人権理事会、ロシアの資格停止を可決 民間人殺害」

国連総会は、7日に開いた緊急特別会合で、国連人権理事会でのロシアの理事国資格停止を成多数で可決されました。またそれを受けて、ロシアが自ら離脱を表明したと報道されました。

ちなみに
日米欧など93カ国が賛成
中国やロシア、北朝鮮など24カ国は反対
インドやブラジルなど58カ国は棄権


国連人権理事会というものの権限が良く分かりませんが、国連加盟国の中で人権の保護にきちんと務めているかどうかを、ある種取り締まるような役割があるのかと思います。

国連の中では、西側諸国を中心としてロシアを戦争犯罪者として糾弾する流れがありますが、反対に、新疆ウイグル自治区などで人権問題を抱える中国などからすると、こうした決議が成立すると立場が悪くなるという面もあるのだと思います。

「人権」そのものは勿論、何にも代えがたい価値のあるのもですし、人権保護の観点は決して失うべきではありません。ただ、こうして中国が巨大化し、米中の経済的対立軸が出来上がるまで中国を大きくしてしまったのは、まさに欧米だという見方もあると知りました。

そんな中、近年ではEGS投資にマネーが流れ、金融の世界ではサスティナビリティだけでなく、サプライチェーンにおける人権意識も問われる状態になっている。これは皮肉に感じざるを得ません。

またシリアやイラク・イランで起きた出来事が、ウクライナで起きている出来事と異なっているのはどういった点か。そういった視点を抜きに、目に入った情報で一方的に断罪したり糾弾するという二次元的な考えでは、国際社会を生き抜くのは難しいと思います。自分自身、肝に銘じたいと思います。


③「G7、ロシア産石炭禁輸・段階廃止 首脳声明、石油依存減も加速 石炭輸入制限、日本も検討」」

主要7カ国(G7)は首脳・外相による共同声明で、ロシアの民間人殺害にたいして強烈な言葉で批判しました。「恐るべき残虐な行為を最も強い言葉で非難する」「この侵略の立案者であるプーチンとその加担者に払わせる代償を更に高める」という事が述べられています。

また、ロシアの輸入物品(エネルギーを含む)についての新規投資を禁止することや、石炭輸入の段階的な廃止・禁止も盛り込まれました。

萩生田光一経済産業相は、「代替国を見つけながら段階的に減らし、最終的には輸入しない方向をめざす」と表明し、G7の声明に協調する考えを示しましたが、石油や天然ガスの開発事業は継続すると言います。日本の輸入におけるロシア産石炭は11%のシェアがあります。

とはいえ、ロシアが日本の権益を認めるのか。もし天然ガスプロジェクト「サハリン2」が接収されるようなことになれば、いよいよ関係はそうとうな緊張に陥るとも思われます。他国はその辺、どうなのでしょうか。機会を見つけて調べようと思います。


④「石油1500万バレル追加放出へ 首相「国家備蓄、初の活用」 IEAと協調」

国際エネルギー機関(IEA)が決定した6,000万バレルの石油備蓄の追加放出のうち、日本が1,500万バレルを担うようです。過去に石油備蓄の放出が行われたのは、民間備蓄からの放出でしたが、今回はじめて、国家備蓄からの放出となるといいます。

日本の輸入量は日量248万バレル。そのうちロシア産は日量9万バレルです。仮に1500万バレルを半年で放出するとなると、日量8万バレルを充当することが出来ます。


⑤「コロナ後見据え銀座に高級旅館 ヒューリック、1泊最高30万円」

新型コロナの収束を見据えて、宿泊施設への投資が世界的に活発化しています。不動産大手のヒューリックが、東京・銀座で高級旅館「ふふ」を新たに開業するというニュースです。

「ふふ」は僕も、はるか昔に一度だけ行ったことがあります。当時からしても散財だったことは否めませんが、限られた機会の贅沢として、とても満足できた記憶があります。にしても銀座で温泉旅館が楽しめるとなれば、世界の富裕層がこぞって利用する様が目に浮かびます。そんな日が来るのはそう遠くないのでしょうね!


【社説】
核政策を維持する米国の現実的な判断
危機直視し温暖化ガス削減を