日本経済新聞
2022/4/6 朝刊一面

①「日本生命が年金予定利率下げ 1.25→0.5%、5200社影響 21年ぶり 給付水準維持は企業に難題」

日本生命が、企業から預かる年金保険の予定利率の引き下げを発表しました。2023年4月~引き下げh21年ぶりとなり、長引く超低金利の影響で、予定運用利率を下げざるを得なくなりました。

予定金利と言うのは、保険会社が個人や企業から預かった保険料を運用する際の約束利回りのことです。生命保険会社は、年金基金の運用ポートフォリオの一部を担っています。1.25%の利回りを約束される安定した運用先が利率の引き下げを行えば、基金はポートフォリオの見直しをしなければならなくなります。

2階建ての公的年金を補完する、その上の3階部分にあたる企業年金である確定拠出年金の運用額は、実に67.5兆円。このうち、日本生命は1割を運用しているといいます。

去年すでに引き下げを発表した第一生命につづき、今回、日本生命も引き下げを発表した事をうけ、今のところは水準を維持するとしている明治安田生命、住友生命保険についても、追随は避けられないとの見方もあるようです。

生命保険確定拠出型の年金は、運用実績によって受け取り金額が変わりますが、確定給付の場合は、運用利回りから逆算して保険料を決定しています。掛け金を積み増しするか、予定利率を引き下げるなどの対応が必要となっていました。


②「対ロシア追加制裁、EUが石炭禁輸案 米は週内に」

ロシアが軍を引き揚げた、キーウ周辺で多数の民間人遺体が見つかったことを受け、米欧はロシアへの更なる制裁を加える方針です。

石炭の輸入禁止という案も上がっているようです。さすがに石油については踏み切れないところでしょうか。

民間人の虐殺という報道が世界中からバッシングを受け、特にバルト三国などヨーロッパではロシア大使が追放されたりと、外交縮小にむけて大きく舵をきる国もでてきました。というよりは、非難するための建前が揃ったという側面もあるのかと思います。


③「ゼレンスキー氏、安保理改革訴え 「国連は機能不全」」

安全保障理事会は常任理事国に拒否権があることによって国際的な政治バランスを保つことができるはずでしたが、現実には、拒否権があることによって対立を解消できないことから、冷戦の一要素を構成ました。

そして今回、常任理事国であるロシアが直接的な侵攻にふみきった時に何が起こったかと言えば、安全保障理事会ではロシアへの制裁に対してロシアが拒否権を発動するのみならず、中国とインドは決議を棄権しました。国連憲章によって世界の平和と安全を成就を掲げた国連ですが、ゼレンスキー大統領の言う通り、今まさに機能不全を起こしていると言っても差し支えないと思います。

おそらくこれから、安全保障理事会の改革が着手されると思いますが、日本の立場がどのようになるのか、非常に気になるところです。


④「10年債利率、7年ぶり上げ 0.2%に、市場金利の上昇反映」

市場金利が抑え込まれるなか、新発国債の金利が7年ぶりに引き上げられました。FRBの利上げや金融緩和の縮小によって、市場金利の上昇圧力は高まっています。市場実勢にちかい水準を反映したと紙面にはあります。

3月に行われたアメリカ連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が発表され、2022年の金利引き上げに対して全員に積極的な内容が伺え、今後の金融引き締めと利上げについては、大きな進路変更はなさそうだと感じています。


⑤「コスモHD、旧村上ファンド系が筆頭株主に 5.8%取得」

アクティビスト(モノ言う株主)として有名な村上世彰氏の関わる投資会社が、これまでの筆頭株主であるUAEの政府系ファンドが売却した株を買い集め、共同保有者と合わせて実質の筆頭株主になったとのことです。

UAEのファンドは非化石燃料に投資を振り向けるそうです。村上ファンドと言えば、富士石油の筆頭株主でもあり、石油元売り大手2社の筆頭株主として、どういった業界変革をもたらすのでしょうか、とても興味があります!


【社説】
政権半年でも経済再生の道筋が見えない
パワハラなき職場へ対策急げ