日本経済新聞
2022/3/5 朝刊一面

①「欧州最大級の原発 ロシア軍が制圧 核リスク顕在化 国際社会は一斉非難」

ウクライナ南部にあるザポロジエ原子力発電所が、4日、ロシア軍に制圧されました。

ロシアとしては、原子力への依存の高いウクライナの発電所を抑えこむと共に、ヨーロッパ全土に対する交渉のカードをさらに手にしたことになります。電力供給が止まっているわけではありませんが、今後、供給をストップさせれば、国民に対して大きな圧力をかけることも可能になるでしょう。

プーチン大統領はすでに戦略核部隊に対して「高度警戒態勢」という「最大」の一歩手前に位置するアラートを出し、各国に対して威嚇を示しています。核の脅威をあおるロシアがヨーロッパ最大級の原発であるザポロジエ原発を制圧したことに対して、世界中からの非難の声が集中するのは当然のことです。

ロシア側は否定していますが、原子力発電所に対する砲撃があったとウクライナ側からの報道があります。もちろん原子炉じたいは、少しのことで破損するようなことのないよう重工に設計されていますが、冷却水道管や、それを制御する電気系統など、ひとつ損傷するだけでも、放射能流出へのリスクが一瞬で高いレベルまで上昇しかねません。

岸田首相は「福島第一原発事故を経験した国として、最も強い言葉で非難する」という声明を出しています。プーチン大統領の暴走が、行き場を失うまえに事態の収束があることを祈るばかりです。


②「ソニー・ホンダ、EV提携 25年発売へ新会社設立」

2040年には電気自動車(EV)がガソリン車の販売金額を追い抜くと言われる中、各企業でさまざまな事業提携が行われています。

ソニーGとホンダが4日に発表した内容によると、年内に共同出資会社を設立し、開発したEVを2025年に発売する計画だといいます。高いIT技術を誇るソニーと、車の生産技術を持つホンダの共同開発によって、どんな自動車が産み出されるのか、とても楽しみです

世界の自動車市場は2030年には600兆円に拡大するとみられているそうです。その中でソニーとホンダが開発するEV、日本の代表格となり、EVテスラなどに対抗する本命馬になることができるでしょうか。


③「SMBC日興幹部4人を逮捕 東京地検、相場操縦の疑い」

「ブロックオファー」というのは、株を売りたい特定の大株主と、多少割安なら引き受けたい投資家の、引き合わせのようなものと思って差し支えないでしょうか。

取引時間中に大量の株を売却しようとすると、需給のバランスが崩れて暴落してしまう可能性があります。なので、売主側から証券会社にオファーを出して、あらかじめ決めた割引率(1~10%)の範囲で買い手を見つけてきてもらう、、という慣習のようなものかと思いました。

この話がまとまる前に株価が下がってしまうと、売主が「今はやめておこうかな」と話がご破算になってしまう可能性があるため、この株を買い支えたいという動機が働きやすくなる、という仕組みです。しかしこれを実際に行う事は相場操縦となるため、法律上禁止されています。

〚リンク〛相場操縦の例は、SBI証券のHPにたくさん載っていました。
どれも投資家の正しい判断を狂わせる、ルール違反行為です。

SMBC日興証券の近藤雄一郎社長も、「市場の公正性を確保する証券会社の立場でこのような事態を引き起こしたことを改めておわびする」と謝罪会見でのべました。


④「ウクライナ侵攻 危機の世界秩序(8)暴挙の制止、まず米国修復」

バイデン大統領はさいしょから、ウクライナへの派兵については否定していました。開戦当初は一般教書演説の直前だったことや、今年の11月に行われる中間選挙への影響を考慮し、まずは自国の経済優先で、ウクライナ情勢とは距離を取っておこう、という考え方だったのかとも思います。

しかしバイデン大統領の意図が見透かされてか否か、ついにロシアは侵攻に踏み切りました。

アメリカのCNNが行った意識調査によれば、アメリカ国民の実に78%が、ウクライナへの軍事介入を支持するアンケート結果が出ているそうです。さらに「トランプ氏が大統領だったらプーチン大統領は侵攻しなかった」という回答は62%に上り、アフガニスタンからの無条件撤退の影響を原因と挙げる声も少なくありません。

もしこのまま支持率の低迷とともに、中間選挙で共和党に議席を渡すことにでもなれば「ねじれ国会」となります。決定力に欠けるアメリカが、ロシアや中国、北朝鮮に見くびられ、抑止力を保てなくなることは想像に難くありません。

強権主義に対抗するためにはまず、こうした危機をある種、結束のバネとして、アメリカ国内の分断を修復し、アメリカ国家が一丸となることが事態終息への道すじではないか、と紙面は締めくくっています。


【社説】
世界を危険にさらす原発攻撃を許すな
重点措置の延長効果は疑問だ