日本経済新聞
2022/4/2 朝刊一面

①「INPEXが核融合発電 技術集め開発、新興3社に出資 40年代実用化めざす」

核融合発電とは、原子力発電と同じく、核エネルギーを利用する発電方法です。
・原子力発電・・・核分裂のエネルギー
・核融合発電・・・核融合のエネルギー
を利用します。

どちらも、放射性物質を排出することには変わりありませんが、原子力発電は、連鎖的に分裂反応が起こりメルトダウンを招く危険性があります。しかし核融合の場合は、必要な量の燃料を投入し、反応が終われば自然に停止するため、理論上は制御がしやすいエネルギー発電です。

CO2を排出せず、H2O(水)から産んだ重水素を燃料とするため、実質的には無尽蔵ともいえ、排出される放射性物質も「低レベル放射性廃棄物」であり、数十年で放射線レベルが低下することなどから、クリーンエネルギーとしても期待がもたれてきましたが、ここ数十年、いまだに実用可能な技術の確立には至っていません。

この度INPEXが、大学などと連携して新興企業に技術と資金を集め、日本で本格的な開発にのりだすといいます。すでに50年以上の研究実績と技術がありながら、法整備の遅れなどから開発が進んでいないという現状を打破することができるでしょうか。2040年の実用化を目指すといいます。


②「データで読む地域再生 生活圏集約が進む鹿児島 集落の利便性維持、全国は倍 兵庫・神河、住民票交付業務を受託」

少子高齢化、過疎化に伴い、中山間地で暮らす住民の生活を支えるための「小さな拠点」の整備が進んでいると言います。買い物の代行・訪問診療などや、特産物の販売なども拠点に集約することで、特に山間部の多い鹿児島では、空き店舗や昭亜を各用紙、こうした拠点が最も増加しているといいます。

地域の課題解決に向けては、様々な工夫も試されています。最新技術を活用する動きとしては、長野県ではローンで食品や日用品を宅配する仕組みを2020年に本格導入しました。

小学校の跡地をグランピング施設として活用しているのは旧常盤村です。そこに地域の農家が食材を提供することで地産地消にもつなげます。

こうした拠点サービスがなければ生活が困難な小規模集落は、今後も増える可能性が高いです。の点在する地域は、今後も住民自身も積極的に課題と向き合い協力することも肝要かと思われます。


③「マリウポリに「人道回廊」 ロシア、チェルノブイリは撤退」

ロシアは、一時停戦してマウリポリ住民を逃がす「人道回廊」を設けるとしていましたが、実際には回廊が機能せずにいると報じられています。赤十字が用意した50台のバスと支援チームが、市街地に入ろうとしましたが、肝心の住民の脱出が難航しているために断念したと言います。

マウリポリには約17万人の市民が取り残されているとも言われますが、長引く包囲と無差別攻撃によって、食料や衣料品などの物資はすでに枯渇しているでしょう。人道危機がここまで深刻になっている状況でやっと救いの手が差し伸べられると思っていただけに、このような事態に陥っていることが本当にやりきれません。

1日にはウクライナがロシア領を攻撃したという情報もつたえられ、そういった事も関係しているのかもしれませんが、罪のない市民の命が、人権が、これ以上危険にさらされないように祈るのみです。


④「介護助手の採用容易に 基準緩和、人手不足に対応 厚労省検討」

介護の現場では、介護福祉士が介護以外の業務(シーツ替えや清掃など)に時間を取られ、適切に業務をこなせない現状がたびたび起きていると言います。介護を必要とする人に対して、適切、十分なサービスを提供できないことに繋がりかねず、事態の改善が求められていました。

厚生労働省によって、介護士のサポート役を担う介護助手などの採用基準が緩和されることで現場の環境改善につなげ、また、介護報酬を手厚くすることで人材不足を解消する取り組みも行われるようです。

介護施設には、原則「入居者3に対して、介護職員1」という基準がありますが、介護助手を「0.2人分」として計算すれことなどを想定します。実際に介護施設の運営負担が軽減されるなどが期待されますが、実際の効果を2022年に実証実験し、2023年の専門家会議を経て実現へと向かうといいます。


【社説】
資源高と円安の影響に十分な目配りを
個人データの保護を強めよう

9月29日(木)20時開催!

日本経済新聞
2022/4/1 朝刊一面

①「食品値上げ、店頭波及9割 物流・原料高で 主要品目調査、4月以降も加速」

小麦や大豆などの原材料価格の上昇にともない、大手各メーカーは値上げを行っています。

これまではメーカーが値上げを表明したとしても、消費者が離れることをおそれる小売店の側が拒むために自社で吸収する事例が多く、店頭価格に反映されることは稀でした。

それでも値上げが浸透している理由には、もともと物流費や人件費が上昇しているところに今回の原材料の高騰が重なったことで、メーカーが今までになく強い姿勢で値上げを要請している点が挙げられるでしょう。

原料価格の上昇に加え、円安も企業の負担を大きくしています。賃金が上がらない中でコストプッシュのインフレが進めば、消費の鈍化につながり、景気の悪化が懸念されます。


②「気候対策、業種別に開示 IFRS財団が国際基準 数値重視、企業間の比較容易に」

気候変動リスクに関する情報開示は、ESG投資の観点から、地球の環境維持に企業が貢献できているかどうかを投資家がチェックするために必要なことです。そこで、IFRS財団と言う国際会計基準の策定をおこなう機関が基準を作り、投資家が比較しやすくするということです。

サスティナビリティ―への配慮は企業にとってもはや常識です。自社だけでなく、取引先もふくめて、資源の消費や廃棄物の産出など、環境に対する影響をきちんと把握する事が求められつつあり、経済や金融と切り離すことのできない課題となりました。

もちろん適切に評価をしてもらえば、企業価値がただしく評価されるわけですが、投資家からすれば比較しやすい反面、データを用意する企業側の負担も少なくありません。中小企業にたいしてはより簡素な報告で済ませる、などの工夫も盛り込まれる予定です。

東京証券取引所が4月から設ける「プライム市場」には、順次こうした基準に沿った開示が課されるとみられ、企業は対応に追われることになるのかもしれません。


③「米ファンドのベイン、東芝の買収検討 非公開化を前提に」

株式分割プランに対して大株主の理解を得られず、株式の非公開化を視野に入れた対応を見据える東芝ですが、アメリカの投資ファンド「ベインキャピタル」が買収にむけて検討を始め、現在のj筆頭株主とのあいだで、実施時の契約などに取りかかっていることが判明しました。

筆頭株主のエフィッシモ・キャピタル・マネジメントは、TOB開始時にはベインに売却することや他のファンドのTOBには応じないことなどを約束しました。エフィッシモは東芝の株式の10%程度を保有する筆頭株主であり、東芝の再編は、非公開化が既定路線となりそうです。

ベインは単独での買収には乗り出さず、日本の金融機関や投資ファンドなど、国際的な連合の設立を進めると見られます。ベインとエフィッシモが手を組んだとなれば、他の外資系ファンドは主導権をにぎることは難しくなるでしょう。

かといって、買収が必ずしも成り立つとは限りません。国にとって特に重要な「コア業種」である原子力事業を抱えていることなどから、改正外為法による厳しい重点審査が不可欠となります。TOBの成否だけではなく、各種法的な障害も大きいことから、ベイン側も現実可能性に関して高望みはしていないようです。



④「米、石油備蓄1.8億バレル追加放出 今後6カ月間で」

バイデン米政権は、今後6カ月間にわたって1日当たり平均100万バレル、合計18,000万バレルの戦略石油備蓄を放出することを決めました。かねてからの原油価格高に加え、ウクライナ侵攻によって高騰した原油相場を冷却するねらいです。

実際に短期的な効果はみられ、WTI先物価格は一時、前日比で7%ほどの下落をみせました。アメリカの石油の生産量は約1200万バレル/日ですから、この程度の効果はあってもおかしくありません。、ただ、長期的にどれくらいの効果があるかは不明で、焼け石に水にならないことが望まれます。

とはいえ今回の備蓄放出は、近年まれにみる量の備蓄放出となることは間違いありません。ロシアの生産量は500万バレル/日で、そのうち数百万バレル/日の取引が制裁によって失われていゆくわけですから、この損失に対してアメリカの働きかけは重要な意味を持っているでしょう。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR31DS30R30C22A3000000/

産油国であるサウジアラビアやアラブ首長国連邦にとっては、増産して受給を緩めることは、アメリカに利してロシアに反する行為となります。それでも産油国の協力を得ることが出来るかどうかは、ひとつ今後の大きな課題になりそうです。


⑤「18歳成人、きょうから 改正民法が施行」

改正民法で、ついに今日から18歳が成人になります。ちなみに19歳も同時に成人になるということですね。「新成人」で正しいのか不明ですが、新成人の皆さんには、おめでとうございます、とお伝えしたいです。

権利と責任は必ずセットだという事は、よく言われますね。ただ「知らなかったでは済まされない」という意味では、責任の方が大きいと言えるかもしれません。「成人になったよ、選挙権もあるよ、社会的に責任を持ちなさい」と言われても、まるで実感がないという方も多いでしょう。

偉そうなことは言えませんが、「知識の栄養」が「教養」だとすれば、どんな知識もバランスよく採り入れることが大切だと僕は思います。バランスのよい考察ができるようになると、自分の時間を効率的に使うことに役立ちます。

今の時代は、膨大な情報が世の中にあふれています。しかもほぼ無秩序に。その中で必要な知識、経験、そして精神的な強さを身に着けなければ、その報いを受けてしまうという意味では、まさに不条理な世の中だと思います。

ただでさえ多過ぎる情報に加え、コミュニティが細分化していることや、AIの働きによって、得られる情報に偏りが生じるのは避けようがありません。


違和感を感じるもの、居心地の良くない場所に慣れる努力をしましょう。それらを通じて人間は寛容さと柔軟な強さを手に入れます。既知の情報や、限られたコミュニティに閉じこもらず、常に外に視野を向け続ける心がけを忘れないでほしいです。


【社説】
未来に向けて自立した大人になろう
外国人の子供に学びの保障を

9月29日(木)20時開催!

日本経済新聞
2022/3/31 朝刊一面

①「プーチン氏、侵攻で「緊張」 声で心理分析
「ストレス、平時の4割増 音声分析とは」

ロシアのウクライナ侵攻開始から一カ月。プーチン大統領の演説などの音声を解析すると、そこから色んなことを分析したり、推測したりという事ができるそうです。

音声分析では、人間の声の周波数の変化などと、その人の気分との関係をもとに心理状態を探るもので、人工知能(AI)を使って声を解析することが出来るといいます。大学などの研究によっては、うつ症状の人を見分けたという話もあり、今後の活用方法に期待されています。

緊張から声の性質が変わるというのは、僕も俳優時代によく経験しました。リラックスしたり自身に満ちている時には、低くて落ち着いた声が出やすいですし、緊張やストレスで舞い上がっているときは、喉が締まっている感じがして、かすれたり、うわずった声になりがちです。読者のなかにも、そういう経験をされている方も多いのではないでしょうか。

解析によれば、
「2/21 開戦直前」
ストレスが高い状態と低い状態が交互に繰り返され、不安定で好ましくない状態。
「2/24 侵攻開始時」
ストレスの乱高下がみられるものの、後半に向かって下降していったことから、楽観的な心理状態とも分析される。キエフを電撃的に陥落させられると考えていたと推察される。
「3/10 経済制裁で撤退する外資企業への制裁表明時」
ストレスの度合いが40%増した。
「3/18 クリミア半島併合8周年 20万人聴衆前での演説」
音声分析ではストレス値が平時よりも大幅に低い状態になった。大勢の聴衆を前にしても意欲が見られず、気分の盛り上がりに欠ける。聴衆の反応を得ようとしているが結局はうまくいかず、内気なトーンに見える

といったかんじです。個人の感想では、なんというか、先に思い込み通りに分析しているようにも思えるのですが、、 もしこういう風に心理を分析するAI技術が進んだら、演技のレッスンにも応用できるのかもしれませんね~


②「ロシア軍、東部攻撃を継続 米・ウクライナ首脳が協議 国外避難400万人」

ロシア国防省は29日、キエフやウクライナ北部チェルニヒウで軍事活動を縮小すると発表しましたが、一方で東部や南部における攻撃はむしろ激化しそうです。プーチン大統領の発言は緊張緩和というよりはむしろ、キエフ制圧に失敗したロシア軍が東部や南部に集中するためという見方が賢明かもしれません。

米シンクタンクの戦争研究所によれば、東部と南部をつなぐ要衝マリウポリについて「数日内にロシア軍が完全制圧しそうだ」と予想しているようです。このままマウリポリを占領すれば、クリミア半島とウガンスク、ドネツクを南東部を陸路で繋げることができます。これらの地域を支配下におき、戦線を国境として独立を承認させるあたりが、ロシアのねらう落とし所なのではと考えるのはある程度合理的です。

イギリスのシンクタンクが、ロシアの戦費は一日約2兆円、と発表したことが話題になっています。もちろん鵜呑みにはできませんが、現在は、大量の兵士だけでなく、ミサイルなどの高価な兵器も大量に使用して市街地への攻勢を強めているといいます。兵器というのは使わなければ古くなりますし、そういう意味での「在庫処分」から、「最新の兵器」へとシフトしつつあることも戦費拡大の要因と言われれば納得できる気もします。

避難民が400万人を超え、被害が拡大するウクライナと、戦費拡大、国内での統制にも苦難するロシア。おたがいに停戦への利害が重なりあい始めました。金融は、リスクオンにむけて準備をはじめる時期なのかもしれません。


③「中国都市封鎖、上場に影響 手続き支障、23社一時延期」

上海市のロックダウンの影響で、証券取引所で出社ができなくなる関係者が続出した結果、新規上場(IPO)予定の企業の審査手続きが次々に見送られ、中国の多くの企業や各地のほかの取引所にも混乱を引き起こしているようです。

中国は、新興企業向けの市場整備にむけて力を入れてきました。
「創業板」
開業:2009年~ 深圳取引所に開設。中国版ナスダックと呼ばれ、ベンチャー向けの上場市場となる
「科創板」
開業:2019年~ 上海取引所に開設。大企業の多い上海で、ハード系ハイテク企業(半導体など)で新興企業が積極的に上場できるよう手続きの簡素化など図る

これらの背景には、アメリカ政権とのハイテク競争があります。経済対立が明確になるにつれ、中国はアメリカ経済に依存しない資本市場を育成することを目指しているのです。さらに2021年には「北京板」という、次世代の技術(情報技術、バイオなどの分野)へスタートアップ支援としてリスクマネーを流入させるための市場を開業しました。

このように、米中対立の中でも自国の企業の国際競争力と独立性を向上させようという中国の経済政策は、中長期的に大きな成果が見込まれます。


ここのところ特に、エネルギー安全保障や資源高の面から、日本の経済基盤の弱さを露呈させる出来事が多いと感じます。市場に資金を呼び込むための東証再編も、識者の意見を聞いていると成果が良く分からないという声の方が目立ちます。短期的なリターンのみを求める投資だけではなく、長期投資によって経済活性化をめざすための仕組み作りが望まれるところです。


④「ANA、臨時便9倍に 春休み・GWに510便 国内の旅行需要回復」

どん底ともいえる時期が終わり、やっと春がめぐってきたのでしょうか??

ANAによれば、春休み期間(3月25日~4月5日)の国内旅客数は新型コロナウイルス前の19年に比べて7割の水準に回復したと言います。前年比では4割増となる計算です。

取締役の井上氏によれば、「夏以降にはほぼコロナ前の水準に戻ると期待している」とのこと。JAL も同様に、春休み、GWともに回復基調にのってきていると言います。

旅行ツアーの再開によって、阪急交通社や日本旅行も、国内旅行の急増を確認しています。まだ海外旅行がむずかしいことも、国内旅行への意欲の高さに繋がっているとみられます。


【社説】
注意すべき中国都市封鎖の経済への打撃
電力・ガス改革は不断の改善を

9月29日(木)20時開催!

日本経済新聞
2022/3/30 朝刊一面

①「円安悪循環 警戒強まる 一時125円台、理論値も急低下 経済政策の転機に」
②「為替の安定へ日米で意思疎通 財務官、米高官と会談」

円安が急激に加速していることで、
・円の下落
・経常収支(貿易などの国際収支)の悪化

が相互作用して陥る「円安スパイラル」に対する懸念が強まっています。

まず肝心なのは、日本にとって今や円安が持つデメリットがメリットを上回ってしまっているということです。
メリット
・輸出品が売れやすくなる
・輸出企業は外貨で売り上げが立つので、円建ての収益が増える
・海外からの配当についても、円建てでは増加する
デメリット
・原材料価格が上昇し、輸入企業のコスト増で収益が減る
・価格転嫁され、消費者物価が上がる
・ガソリン高などで消費者の購買力が低下


こうしてみると、円安メリットは一部の輸出企業や、海外資産を持つ富裕層に限られ、一般層や多くの中小企業にとって円安はデメリットになりやすいものですね。そして、そのメリットすら縮小しつつあるために「円安スパイラル」が懸念されているのです。

日本は、資源を輸入して、製品を輸出する国です。円安になれば製品が売れやすくなり、また円建てで考えれば企業利益が増えるため、ひいては国内景気に対してプラスに働くというのが今までの考え方でした。

ですが今や、円安のデメリットの方が大きくなりつつあります。企業の海外拠点が増えたことに加え、昨今の原材料の急騰などが原因でバランスが反転しました。円安になれば貿易で稼ぎやすくなるという考え方はもはや通じなくなりつつあります。

「交易条件」とは輸入物価で輸出物価を割った指数(安く仕入れて高く売ることが出来る可能性・つまりは貿易での稼ぎやすさ)です。実際に交易条件の指数は悪化し、貿易で稼ぎにくくなっているという結果になっています。

輸入企業は円を売ってドルを購入する
⇒ 円安になる
⇒ 輸入額が膨らむ
⇒ 経常収支がマイナスになる(交易条件も悪化する)
⇒ 稼げないので企業の競争力が悪化する
⇒ 輸出で十分な外貨を手に入れられないのでまた円を売る
⇒ 円安になる
という悪循環が「円安スパイラル」です。

日銀はいままで、景気回復のために金融緩和の政策を採り、そのために円安を許容してきました。しかし緩和に起因する円安許容が、実は景気にマイナスに働いているとなれば、それはまさに本末転倒です。緩和政策じたいの意義が問われています。

FRBが利上げを発表している中、日本だけがこのまま金利を抑え込もうと介入を続ければ、円安スパイラルに陥る可能性が少なくありません。そうなってからでは遅いというのが、紙面の指摘です。



③「中立化、新安保を条件に ウクライナ「米欧含め体制を」 停戦協議 ロシア「キエフ近郊、軍縮小」」

ウクライナとロシアの交渉で、若干の進展があったようです。29日にイスタンブールで行われた停戦協議で、ロシアから初めて緊張を緩和させるような提言がありました。まだ攻撃が止まったわけでもなければ、お互いの主張にはすれ違いがありそうですが、若干の期待を持たせたのは事実だと思います。

ロシアは、想定外の苦戦がつづくと見られるなかで、キエフなどでの「軍事活動を縮小する」としました。これが、緊張緩和に向けた第一歩という印象を強調しました。

またウクライナ側は「中立化」を受け入れ、NATOへの加盟を断念する方針を示しました。ただし、その代わりにロシアに対して、安全保障理事会の常任理事国の5か国に、ドイツやカナダが加わることをロシアも妨げない事、という提案をしています。

また領土問題に関しては、クリミア半島などについて「合意の中には含まず」に今後15年以内に解決する、と問題を先送りにすることを提案しました。

これらについてロシア協議団は、プーチン大統領に報告した上で、と言い残して回答を保留しています。

この戦争の落としどころが見え始めたのか、それとも。。。


④「クリーンエネ「海洋温度差発電」 商船三井が実用化へ」

「海洋温度差発電」は、燃料をつかわず、廃棄物も出さない、再生可能エネルギーです。理論上動力に限りがないクリーンエネルギーで、風力発電などと比較されますが、どちらも発電コストが問題となっていました。

商船三井が運営に乗り出す発電所は、既存の取水管を利用するなどして建設費用を抑えることができ、洋上風力発電よりも安く発電できる計算です。将来的に、化石燃料の代替エネルギーとして国内発電量の約5%を担うとも試算され、普及が期待されています。


⑤「物価高対応「機動的に」 首相、来月末までに緊急対策」

ウクライナ侵攻によって深刻になってきた物価高に対して、政府は緊急対策を4月末までに策定するように指示を出したと述べました。「国民生活や経済活動への影響に緊急かつ機動的に対応する」という岸田首相の対策の柱は、以下の4つに対する手当となります。

1.原油高
2.食料、資源高
3.中小企業支援
4.困窮者支援

財源に対しては、コロナ対策で計上した5兆円を含む5.5兆円を予備費を充てることで、補正予算案の編成を待たずに、迅速な対処ができるということですが、その場しのぎの感は否めません。年金の5000円補填問題(いったん白紙になりましたが)についてもそうですが、有識者の中には、6~7月の参議院選挙に向けたパフォーマンス、税金のバラマキに過ぎないと指摘する声も少なくありません。

原油価格の高騰に対する緊急減税対策である、トリガー条項解除などについても、いまだ議論の中途にあります。第一生命経済研究所の永浜利広・首席エコノミストは、「一時的な負担軽減」ではなく「将来の負担軽減につながる構造転換を」と述べます。

・需要の大きい鉱物資源の備蓄を拡充する
・石油の生産量を増やすための上流開発への投資
・半導体の国内生産体制の強化

など、、供給網の混乱や、需給のひっ迫による影響やリスクを抑えるための取り組みがあれば、将来的に物価高が起きたとしても、それに対する耐性を身に付けることが出来ます。

限りある予算を、緊急の手当てに使うのか、根本的な問題解決に使うのか。これはまさに、有権者のリテラシーを問う決断でもあるのではないでしょうか。


【社説】
年金改正をシニア就業の拡大に生かせ
口利き政治に警鐘ならす判決

9月29日(木)20時開催!

日本経済新聞
2022/3/29

①「公取委、QR決済の実態調査へ 手数料高止まり懸念 キャッシュレス化加速」

キャッシュレス決済を推進するなかで、QRコード決済の普及が停滞しているといいます。その原因として、QRコードを利用した決済サービスを提供する業者が、銀行に対して支払う手数料に問題があると指摘されています。

銀行と決済業者はNTTの提供する「CAFIS」というシステムを通してキャッシュレス決済のやり取りを行います。普及を促すため、銀行がNTTデータに支払う手数料を減らす指導が2020年に実施されたにもかかわらず、銀行が決済業者に求める手数料が変わっていないという現状がありました。これを受けて、公正取引委員会が2度目の調査にのりだします。

そもそも、キャッシュレス化のメリットは様々です。

・金融機関などに発生するインフラコストの削減
現金を取り扱うことで発生する物的・人的コストは年間1兆円を超えるといいます
・インバウンド(訪日観光客)消費の促進
キャッシュレスがあれば、もっとお金を使ってもらえる
・店舗などでの業務効率化
レジ締め作業の効率化、小銭が合わないといったことがなくなる
・家計管理がしやすくなる
履歴を自動でデータで残せる家計簿アプリなどの利用で、家計管理が進む
・クレジットヒストリーの作成
信用取引の履歴を積み重ねれば、カードの信用アップや、ローンの利用限度額の引き上げに繋がります
・データの活用
消費行動を把握できれば、企業の商品開発に参考となり、経済活動の成長につながる

以上のような事が挙げられると思います。

キャッシュレス推進協議会によれば、比較可能な18年のキャッシュレス決済の割合は、
韓国 94.7%
中国 77.3%(参考値)
英国 57.0%
米国 47.0%
日本 24.2%
とだいぶ出遅れています。日本は20年時点でも3割ほどですが、政府は25年に40%の目標を掲げており、約10兆円ほどに達する見込みです。

加盟店が支払う手数料の高さも、導入を阻害しているかもしれません。中国のアリペイやウィーチャットペイでは0.6%と言われていますが、日本の業者では2~3%が主流です。

日本では決済インフラを銀行が独占し、フィンテック企業が育っていないと言われています。既得権益の聖域を撤廃し、こうした障壁をなくすための改革を行わなければ、日本企業はキャッシュレスの恩恵を受けられず、巨大に成長した海外企業に市場の利益を吸い上げられる結果となってしまうでしょう。


②「円急落、一時125円台 1日に3円以上 日銀オペで拍車」

28日の外国為替市場で、ドル円が一時125円を超え、2015年以来の円安水準に下落しました。理由は、日銀がついに発表した「連続指値オペ(公開市場操作)」です。

債券価格が売られるほど長期金利が上昇します。金利が上がれば景気は冷え込んでしまいますから、景気をよくするために低金利を維持したいというのが、現在の日銀の方向性です。約0.25%までは許容するが、それ以上に金利が上昇する(国債が売られる)場合には無制限に日銀が買い支えるというのが「連続指値オペ」です。

ですが無制限に国債を買い入れるという事は、いくら売っても値下がりしない、という事だけでなく、円安を許容しているという明確なメッセージとして伝わるため、これは、かなりの円安を覚悟して相当な意志で金利を上げないという強硬的な意志を持って決断されたと言えます。

もちろん、金融政策はあくまでも「インフレ率」によって決定されるわけで、「円が高いか安いか」ではない以上、インフレ目標の達成までは政策を維持することは理屈通りです。

しかし過去に「125円以上の円安は、ありそうにない」という曖昧な言葉で表現され、まことしやかに黒田ラインと呼ばれる125円/ドルの境界に差し掛かったわけですから、この調子ではまだ何が起こるか分かりません。

ただ、世界的に金利が上昇するなかで、円だけが低金利を維持しようとすれば、円は売られて更なる円安を呼び、相対的に輸入物価が上昇します。特に資源を輸入しなくてはならない日本の場合、原料価格が上昇している局面で円安が続けば、経常収支が悪化し、日本経済は更なるデフレに陥りかねないと危惧されています。


③「G7、ルーブル払い拒否 ロシア産ガス取引で一致」

ロシアは、「非友好国」と指定している米国、欧州連合(EU)加盟国、日本、カナダなどに対して、天然ガスの代金をルーブルで支払するように要求しています。

この問題に対しG7(主要7か国)各国のエネルギー担当相は、拒否する方針で一致しました。今のところ各国の企業で、天然ガスの支払いを実際にルーブルで求められたという例はないそうです。

多くの契約では、天然ガスの購入代金はドルやユーロ建てになっており、これを一方的に変更することを受け入れられないとするのは自然な流れかとは思いますが、ロシア側がこれを何かの口実にする可能性は排除できない気もします。

「外貨を売ってルーブルを買う」必要を生じさせ、ルーブルの下落を防ぐ狙いがあると見られます。年間数兆円の決済をルーブル建てにしなければならなくなれば、下落を支えるどころかルーブル高を引き起こすとも見られ、慎重な対応が必要でしょう。


④「中国、ゼロコロナの代償 上海で封鎖開始 全市民にPCR/供給網に打撃」

ここまで新型コロナの封じ込めに成功してきたとみられる中国でも、感染拡大の傾向が強まり、ついに都市まるごと事実上のロックダウンの実施に踏み切りました。

市保健当局によると、27日の新規感染者3500人のうち無症状感染者は3450人と99%を占めるそうです。とはいえ、重症化リスクは低い一方、早期発見が難しく、クラスター(感染者集団)を多発させかねないという判断と見られます。

これだけ迅速に徹底して対策を行える点には感心できますが、毒性が弱まってきたとも言われるオミクロンなどの変異株に対して、いまさらロックダウンで対抗するという点に不自然を感じているのは僕だけでしょうか?


⑤「セブン、社外取締役を過半に 海外投資家を意識」

セブン&アイ・ホールディングスが、取締役の過半を社外取締役とする方針を固めたそうです。

専門知識やノウハウを持つ人材を招き入れることで、海外コンビニ事業の拡大に関する布陣を強化するためと見られます。日本の上場企業ではこうした取締役会の構成は珍しく、全体の6%にとどまるそうです。

グローバル展開を目指す企業の代表としても、こうした社内のガバナンスの改革は非常に頼もしく感じます。経営が透明化すれば投資家にたいしても理解を求めやすくなるという良い例になることで、日本の企業がどんどん世界の投資家から注目されるきっかけになれば良いなと思います。



【社説】
EUの新法は巨大IT規制の試金石だ
世界が認めた濱口監督の魅力

9月29日(木)20時開催!

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